感覚探求タイプとは?
➜感覚の鈍麻さがあるために、刺激を入力するために、自ら刺激を求めて行動を起こしたり、行動のコントロールだけでなく、気持ちのコントロールもあまり上手ではないことも多い。動きが派手なので、一斉に指示されるような場面で、座って話を聞くなど、皆が同じことを求められるような場面では、注意されることが多くなりがち。
*親や先生のしつけが悪くてやっているわけではありません。
*本人のワガママでやっているわけではありません。
*脳の機能の問題で、そのようなタイプという認識を持ってください。
この記事を読むとわかること、得られること
①感覚探求タイプに当てはまるお子さんをお持ちの方が、今は大変でも、将来は落ち着くか、有望と思えるか、未来に少し希望が持てます。
②今、目の前にいるお子さんも、周りの人を困らせるためにわざとやっているのではなく、怒られるのが大好きでやっているわけではなく、脳の特性としてやっているのだということが理解できます。
③理解ができると、10怒っていたことが、9か8くらいには減りますw
④今大変な怒り心頭!!の出来事を日記等にメモっておき、将来笑い話にして、結婚式等で語り草にしてあげましょう。全てはネタ!武勇伝になります!
長男の例 (*途中から解説入りw)
・2〜4歳の頃、足を踏み鳴らすようにドシドシと歩く
・3歳の頃、力加減ができず、昔ながらの空気を入れてカエルを飛ばすおもちゃを、悪気はないが、秒で壊す。
・1歳の頃、一緒にお風呂に入り、髪の毛を洗っている間静かだなと思ってすすぎ終わってふと見ると、すすぎで飛び散っていたお湯が溜まった洗面器を抱えて飲んでいた(*_*;
・別の日のお風呂では、すすぎ後長男を見ると、お風呂場タイルの目地磨き用のきったない歯ブラシを、口をイーのカタチに開いて、磨く真似していた。前歯しかないだろう(*_*;
・水たまりを見つけると、バシャバシャと入ってキャハキャハ笑って大騒ぎ楽しそう。
・ベビーサークルで、同じ月齢の子たちはママの膝の上でおとなしくしているのに、一人だけハイハイで行動範囲広く移動しまくり。
・0歳児の赤ちゃんのころ、おくるみでアスレチックの網の上に置かれてボヨンボヨンと上下に揺らされることを、二カ〜っと満面の笑みで笑って楽しんでいた。
・10ヶ月で歩きはじめ、すぐに高いところに登ろうとしていた。
・0歳児クラスの集まりで、一人サッカーボールをけって走り回っていた。
・1歳から大学生まで、牛乳を注ぐときにコップに勢いよく注ぐので、ジャバっとこぼす。
・じっと座っていられない
・視界に入る動くもの、聞こえてくる音に反応しがち
・気が散りやすいが、一度集中すると周囲の音が入らない。
・小中学生では、寝転がって勉強したり、バランスボールではねながらテレビを見たりと、必ずしも背筋をピンとして座らなくても、楽な姿勢や動きながらのほうが集中できる。
・ハイハイの頃、朝起きるともう起きていて、台所の床に米がばらまかれていた。(感覚探求タイプは刺激を求めて、あちこちへの興味関心も高いんだね)
・次の日、じゃがいもがネズミにかじられたようなあとがあり、床に2個転がっていた。(前歯2本はえていたからね 口の周りと床に泥汚れがついていたね)
・料理していると足元ツンツンされて「くすぐったいよ〜」と見ると、包丁で足の甲と指先ツンツンされていたΣ(゚∀゚ノ)ノ(ママは「キャ〜」と叫びたい衝動を抑え、そっと包丁回収したよ。内扉に包丁しまっていたから、鍵をすぐに取り付けたよ。ママの足の指はちゃんとあるから安心してね。この話は武勇伝として大笑いされる人と、静かに引かれる人と二分する話だね)
・一段高いところをわざわざ登って歩く。(この程度は感覚探求タイプでなくても、多数派のお子さんにもよくある姿かも。でも、他の感覚調整障害のある低反応(低登録)タイプ、感覚過敏タイプ、感覚回避タイプの子どもたちはやらないかもね。)
・年長さんのときには逆上がりができることはもちろん、連続逆上がりをやって、年中さんの男子に憧れられる。(小学生になり、上には上がいることを知り、この頃が「運動神経いいね」と褒められたピークw)
・褒められても、全然褒められたと思っていない。(大げさすぎるくらい褒めないと伝わらない)
・注意されても、全然聞いていない。(記憶容量も関係するが、「さっき言ったでしょ」と注意しても意味がない)
・友だちとぶつかっても、ぶつかったと思っていない。(鈍麻だからね)
・目の前に出されたものをすぐに触る。(感覚探求タイプだからね 衝動性も高いね)
・あかちゃんのころは何でもすぐ口に入れる。(感覚探求タイプだし、鈍麻ゆえに、気持ち悪さとか感じにくいんだね)
・兄弟の中で、長男だけが人への噛みつきがあった。(感覚探求タイプゆえのね)
・未就学児の間は、喜怒哀楽の表現がわかりやすい子だった。(自分に対しての刺激入力もあったのかもね)
・好きな事に没頭すると、話しかけても聞いていないし、トイレをギリギリまで我慢することもあった。(過集中の特性もあるけど、膀胱貯める機能の感覚の感じ方の鈍麻さもあるのかもね)
・転んでも泣かない。(鈍麻だからね)
・赤ちゃんの頃から注射で泣いたことがない。(鈍麻だからね)
・お絵かきでペン先を潰しがち(コントロール上手じゃないからね)
・クレヨン折れてる(力入れすぎだね)
・物の扱いが基本雑(コントロール上手じゃないからね、だけど、気をつかうように促せば丁寧にできたりもする➜だからこそ「やればできるのに、どうしてやらないのヽ(`Д´)ノ」と、先生や大人から怒られがち)
・お盆に乗せた味噌汁を運ぶときにこぼれがち(運動できても、慎重に動きをコントロールするのはヘタなんだね)
・食べているときに何かしら倒してこぼしがち(空間把握能力が弱そうだね)
・洗い物してくれるけれど、お皿割る確率 兄弟一高い(協調運動は意外とヘタなのかもね)
・今も、扉を家が壊れそうなほど 思いっきりすごい音立てて開閉する(無意識には丁度いいコントロールができないんだね)
・筆圧強い(固有覚への刺激を求めるタイプでもあるからね)
・歯ブラシの磨き方が 歯茎を痛める磨き方(鈍麻さゆえに、刺激入力強めが好きだね)
・3歳児で補助なし自転車のれるようになり、オフロードバイクで階段を降りるパパのマネをして、自転車で階段を降りた。まさに武勇伝w(バランス感覚は良かったんだけど、見た刺激そのまんま再現する衝動性の高さがあるね。ケガしても鈍麻だから泣かなかったね)
いつ落ち着くの? 今どうなっているの?
いつ落ち着くの? 我が家の場合は小2でした
こんなお子さんをお持ちの方は、今はたぶんとっても大変だと思いますが
将来は「優しさしか残らないし、大丈夫!」と言ってあげたいです^_^
でも、小学校2年生くらいまでは、本当に次々と いらんことしてくれて、
本当に大変だった。
友だちにケガをさせてしまうこともあったし、
あやまりまくりの人生が待っているのか・・・と思うこともあって、
どうしたらいいの?と泣いてしまうこともあったな。
本人はあまり困っていなかったみたいだけど、
私が泣いた姿を見て、その時は、小学生になっていたから
「ママを困らせないように
『ちょっとおとなしくしないといけないな』と思った」 という話を
大きくなってから 思い出ばなしの中でしてくれたことがあります。
だから、母が一人で抱え込まずに、時には泣く姿をみせることも
理解が進んでいる段階では、ある程度有効なんだな、と思ったりもしました。
その時には大人げなく、本人の前で泣く姿見せたりして、
ダメな母親だなと反省したりもしたのだけど。
そんなふうに思って、少しずつ変わるきっかけになってくれていたのなら、
泣いたことも たまにはそんな姿も見せてよかったのかもしれないと、
あとで答え合わせができた気がしました。
気持ちと行動のコントロールが少しずつでき始めている時期だからこそ、
有効だったのかもしれません。
大変な時期の対策は?


まだお話が上手にできなくて 手が出る時期は、
とにかく本人の好きな 身体を動かせる場所を用意して
たくさん運動をさせるために
なるべく空いている田舎の公園まで連れて行ったことを思い出します。
いくら言い聞かせても、その時は「わかった」「ごめんなさい」と言うけれど
なにせ悪気はないし、まだコントロールが上手くできないだけなのです。
そのコントロールがうまくいくように、
前庭感覚や固有受容感覚への刺激をたくさん入れていく遊びや環境を用意していきましょう。
ただでさえ大人から注意されやすい行動を起こす子だということを知って、
だからこそ、なるべく注意をせずに、自己肯定感を下げないような環境で、
たくさん遊びを保証することが大事なのです。
そうしているうちに、だんだん落ち着いていくから大丈夫。
ゲームしていると暴れないからと言って、そればかりだったり、
テレビやビデオやYouTubeばかり見させて
運動や遊びを行わない生活はNGです。
もちろん時と場合によって、上手に利用するのはありですが。
家でもできる親子の体遊び(「飛行機ブンブン」よくやりました)や、
トランポリンを飛ぶなど、家でもできることを工夫してみてくださいね。
習い事で 野球や空手やテニス・スイミング・サッカーなど、
本人と体験に行き、「楽しそう!」「やってみたい!」と本人が思うものをやることで、
動きたい衝動を発散させることも大事です。
楽しく繰り返し身体を使っていくことで、身体の使い方が上手になり、
身体と気持ちのコントロールが上手になっていくのです。
運動系の習い事は、スキルが身に付き、身体もつくられて健康になり、
今は厳しすぎることも少ないので、本人の自信にもなるし、
友だちやコーチに応じる経験など、社会性も培われるので、
心身ともに健康になりオススメです。
もちろん個人差はあるけれど、高学年になる頃には落ち着く子が多いみたいです。
20歳までには50%の子が落ち着くということも言われています。
感覚探求タイプの行動に多い 多動性や衝動性が
(長男はそこに、こだわりもプラスされていました)
全く消えてしまうわけではないけれど、
一時期の 次から次へといろいろとやらかしてくれる 大変な時期を思い起こせば、
それはさすがにいつまでもは続かないから。
一番ピークだった頃に比べれば、落ち着いてきてよかった〜 と思いながら、
今ピークの人は、ここを乗り切れば楽になるぞ〜 と見通し持ちながら、
深呼吸して 我が子を信じて 無条件に愛して 乗り越えていきましょう!
何かができたから褒めるのもいいけれど、
何もしなくても、 いてくれるだけで嬉しい 幸せ。
何かやらかしてくれても
それがあなた それがあなたのいいところ 強みになっていくところ
今は大変な部分だとしても そのエネルギーを違う形に
愛されるべきことに 社会に役立つことに 変換していこう
それはどんなカタチか 一緒に考えていこうね!!
と思って。
家族だけで考えられない時には
同じような子どもを持っている先輩ママ・パパや
支援者の人たちを頼ってもいいんです。
今どうなっているの?

長男は今、社会人です。
あの頃・・・お風呂に入ってふと見ると、ある時は 風呂のお湯を飲んでおり、
ある時は 風呂場のタイルの目地磨きの歯ブラシを加えて 歯を磨いており、
目が合うとニカっと笑っていた長男も
今では立派な?!(笑)社会人になりました。
いや、まだ、立派かどうかは正直わかりません。
振り返ると、先生から怒られなくなったのは、高校生になってからかもしれません。
それまでは、まあ色々ありました。
自分の気持ちをうまく相手に言うことができず、
やさしいのに、なにか抜けていて、注意されることもあり
不器用な子でしたが、
わかってくれる人もいたことがよかったです。
落ち着いてきたら、私は楽になりましたが
もっと突飛な発想を活かして クリエイティブな仕事や
専門的な知識を活かす仕事につくのかと思っていたのに、
意外にも公務員をしています。
事務職ではなく、技術職員です。
そんなわけで、小学生の頃の長男を知っている先生たちからは
えっ!!あの長男が・・・と、軒並み驚かれています。
あの クラスから出ていっていた長男が(当時の心境を聞くと「虫の声がして、そこに扉があったから」出ていったそうです)
あの 面談を希望もしていないのに、先生から「面談をしましょう」と言われた長男が
あの 授業中、窓側の席になったら外が気になって授業に集中できていなかった長男が
あの 集合写真を買おうとしたら、虫に気を取られてふらりといなくなっていたことに担任も気づかず、写っていなかった長男が
いつしか(野球をやり始めて高学年になり協調性がほんの少し身につき)「やる時はやる」ことができるようになり、
苦手な科目(英語)もあるけれど、得意な科目(数学・生物)を活かして
勉強もそこそこできるようになりました。
地方公務員試験も、一次試験はどこも受かるのに、
二次試験三次試験の面接では、不器用さが出てしまいます。
それでも、拾ってくれる、良さをわかってくれるところは現れるものです。
諦めなければ、どうにかなるものです。
強みを伝えよう

どうか、今は大変でも
お子さんそれぞれの持つ強みを知り
強みを活かしていきましょう。
長所と短所は隣り合わせですので
一見短所と思えるところが実は強みだったりするのです。
そこをいい方向へしっかりと伸ばしていき、
自信をつけていけるよう 導いていけるように ことばにして伝えていきましょう。
その人その人の良さ、持って生まれたものは必ずあり、
一人ひとり与えられた役割があると私は思っています。
この子の役割は何なのか、最終的には自分で見つけていくのかもしれませんが、
生まれたときから見ている親は、きっとその子の良さを一番良くわかっているはずです。
本人が気がついているかどうかわからない「強み」を ことばにして、伝えてあげることが
親としてできる一番のプレゼントなのかもしれないと、
いま振り返って思います。
